ブリュートナーの知名度は日本ではさほど高くないが、ドイツでは従来から西のべヒシュタイン、東のブリュートナーといわれ、ベヒシュタインと並び称せられるほどの高い評価を受けている。旧東ドイツの地域、ライプツィヒで1853年にユリウス・ブリュートナーが創業したのが始まりで、スタインウェイやベヒシュタインの創業と同い年になる。
ブリュートナーの特徴のひとつとして、弦については、通常はチューニングピンから出た弦がヒッチピンで折り返して隣のチューニングピンに戻ってくるというかたちになって二本が一組になって張られているが、ブリュートナーは一本ずつが独立して張られている。これは仮に一本が断弦しても、残りの弦が生きているので演奏を続けることが可能になる。また、調律の安定性という面でも利点になる。
ブリュートナーは、基本的に手作り生産となっていて生産量もさほど多くないため、使われる部材もかなり吟味された質の高いものが使用されている。